甲子園に出場するような高校の野球部に入部する為には、自らも高校球児として活躍した指導者の元で練習に励み、チームのパイプを使って目指す高校からスカウトを貰える環境に身を置く。

中学生の時期をどの環境で野球を行うかは、重要な選択肢になります。

その中で中学硬式野球のクラブチームの体験練習に複数参加し「ここだ!」と決めたチームで頑張っていることと思います。

しかし、時が経つにつれて「本当にこのままで大丈夫なんだろうか?」と心配になるご父兄さんもいらっしゃいます。

事実、入団した選手がそのまま全員卒団まで在籍するということは殆どありません。

何かしらの理由で途中で退団し、他のチームに移籍するご家庭があるのは事実です。

今回は「中学硬式野球の移籍を決断した親の本当の理由」についてお話ししたいと思います。

チーム移籍の問題は、野球をする環境自体を変える大きな決断となりますので、この記事では具体例やお子さんとの向き合い方をお伝えしておりますので、是非参考にしてみてください

中学硬式野球の移籍を考えた親が決断に至ったキッカケとは

何らかの形でチームの移籍を考える場合、そうなるきっかけは大きく3つに分かれます。

具体例を挙げて説明いたします。

①選手起用に関する不満

チーム内で、際立って心情を表出さないまでも、我が子が試合に出て活躍している姿は親であれば当然見たいというのは本音だと思います。

しかし、現実はそのようにはいきません。出場機会が平等に回ってくることは難しいのが事実です。

回ってきたチャンスを活かし活躍の度合いが増すと、出場機会も増えていきます。反対に、折角チャンスが回ってきても充分な結果が残せない状態が続くと、試合で起用される回数も減ってしまいます。

すると、出場機会に恵まれない選手の親からすると「息子の出番は代打の1回のみ、それすら出られない時もある。このままでは親も子もモチベーションが続かない…」このように考え悩みながら野球を続けることになります。

目指せ甲子園の夢を実現させる為に選んだチームだけど、そもそものチャンスを貰えない状態では活躍以前の問題。

ベンチを温めてばかりの我が子を見るのが辛い…

指導者はあの選手ばかり起用する

指導方針に疑問を感じるようになった

モヤモヤした気持ちを持ちながらも、選手起用に関して保護者の立場から、指導者に訴えかけるようなことは出来ないし、してはいけない。

そのように考えている方も多いのではないでしょうか?

出場機会に恵まれない状況の不満から、指導者に話すことなくひっそりと移籍を考える場合です。

そのようなご家庭は、冬の体験会が多く開催されている時期に、新1年生に混じり参加をしています。

②進路に関する指導者側との考えの相違

進路を決める時期の中学2年生の冬~3年生の春に退団してしまうご家庭があります。

卒団まで1年もない状況の中での突然の退団。

周囲のチームメイトも驚きを隠せません。

事実、このような話もあります。

チーム内でも中心選手の場合、本人の意思をよく確認することなく、指導者側のほうで高校側とのパイプを優先させ先に話を進めてしまっていることがあります。

中心選手のAくんを〇〇高校へチームから推薦するので、もう一人Bくんの進路の面倒も見てほしいと内々にお願いしているパターンです。

この事実を後から知ったAくんの家が、本当に行きたい高校でなかった場合「他選手の進路の為に、セットで話をされるなんて納得いかない!」こんなふうに考え移籍してしまうパターンです。

③親同士のトラブル

親同士のトラブルは、さまざまな問題があるのですが、よくあるのはポジション争いでのトラブルです。

我が子と同じポジションのライバル選手の親のことを悪く言うことです。例えば、指導者に〇〇くんの親は采配の批判をしているなどと指導者の耳に入るように噂話を流す。

ここまでくると本当に陰湿ですが、このようなことは残念ながらあります。

火種が大きくなり問題となって、事実ではなかった場合は言った側が厳重注意を受ける。その結果、顔を出しづらくなりそのままチームを去ってしまうパターンです。

一生懸命頑張っていたお子さんは何も悪くないのですが、親に促されるようにチームを去ってしまう。

親同士のトラブルで、お子さんがチームを去らなければいけなくなるようなことは、何としても避けてあげてほしいですし、そうならないようにするには、チームメイトのお子さんや親のことを決して悪く言わないと心に決めて交流を行ってほしいと思います。

まとめ

今回は、中学硬式野球の移籍を決断した親の本当の理由についてお話ししました。

親の判断でチームを移籍しようと考えている場合、選手である本人は現在のチームに留まりたいと思っている場合も多々あります。

親としては、いろいろな思いが交錯して、移籍するか迷うところだと思いますが。

決断をする前には、野球をする本人であるお子さんの気持ちをよく聞いてあげてください。

なぜなら、移籍をするということは、指導者も選手も周囲の親もチームの方針も全く変わるということです。違う環境に飛び込んでいくことになります。

お子さん自身がそのことを望んでいるのであれば、前向きな選択として新たなる所属チームを探してあげてください。

お子さんが「このチームで頑張っていきたい!」と思える環境に身を置き、努力を続けていくことが何よりも大切なことですので、心に留めておいていただければと思います。