所属しているチームを移籍する。あなたはどんなイメージをお持ちでしょうか?

転居による移籍以外で今のチームを離れることを考えている場合、現状何かしらの悩みを抱えている場合が往々にしてあります。そこには自分の家だけではどうしても解決が難しい問題があったり、先を見据えた時この環境では乗り越えられないと判断した時に具体的な行動に移ることとなるでしょう。

私もこれまでに、チームを離れていく人、他チームから移籍してくる人両方のご家庭のケースを見てきました。そこで、どちらにも共通して言えることは「今、置かれている状況を変えたい」との思いがあります。

しかし、チームを移籍することは、これまでの環境を大きく変化させることになります。チームが変われば指導方針や運営、雰囲気も違います。新たな人間関係を築いていくことは心理的にも大きなパワーを要します。

ここで今回は少年野球のチーム移籍について、退団前に考えておきたいことをお話ししたいと思います。

少年野球のチーム移籍について① 子どもが野球に行きたがらない

野球の日の朝のお子さんの様子を見てください。これまでと違った所はありませんか?

・野球となると、朝、なかなか起きれなくなる

・準備にこれまでより時間がかかっている

・食欲がない

・表情がさえない

これまでこなせていたことが急に出来なくなってしまう。お子さんは、野球で何か悩みを抱えている可能性があります。

それは、日常のちょっとした変化から見抜くことが出来ます。このような状態が続くようなら、お子さんとゆっくり話をする時間を設けましょう。

大好きな野球が嫌いになってしまう前にお母さんが出来ること「子どもの気持ちに寄り添うこと」です。

私の息子もこんな時に野球に行きたがらないことがありました。

・ミスして守備を下ろされた

・大事な場面で見逃し三振をしてしまった

・スタメンから外された

失敗も成功の過程では必要なことであり、そこを乗り越えていくことで学べることがたくさんあることに今は気付いているのですが、当時の息子はそれで落ち込むこともありました。

その時に私が話したことです。

・誰でも失敗はする

・失敗の事例は成功へのヒントになる

・失敗から得たヒントを次に活かせばいい

・過去の失敗にこだわり立ち止まってしまうより、次への歩みを進めることのほうが大切

話をしても、そんなにすぐに切り替えられない時もありましたが、聞いていないようで子どもは聞いています。いい時ばかりではない、上手くいっていない時こそ応援してくれる人の存在があることで、お子さんの気持ちは前へ進んでいきます。

それでも、子どもの様子を見て今の環境では野球が嫌いになってしまう、続けていくのが難しいと判断した場合は、移籍を検討してみることもありだと思います。

少年野球のチーム移籍について② 保護者間の人間関係

選手同士は上手くいっている。しかし「あのレギュラーのお母さんの度重なるマウンティングが辛い」「あのお母さん普段の手伝いは一切せず、試合の時だけ顔を出し、終わったらすぐ帰る」「あのお父さん、チームが負けたら威圧的な態度が出る」「父兄審判は毎回同じ人になってしまう」「車出しの協力要請をしても、毎回同じ人ばかりになる」など、どのチームにも人間関係の問題や運営上の課題は存在するでしょう。

どうしてこんなに少年野球で頭を悩ませなければいけないのか?このように考えているご父兄さんも多いと思います。

主役はあくまでも野球をする子どもです。それを見守りサポートしていく親が続けやすい環境を整えていくことは、保護者だけでなく役員・指導者も含めチーム全体で考えていかなければならない課題です。

運営の負担を減らす為に改善できる内容があれば、役員・指導者のほうから保護者に提案してもいいのです。役員・指導者は従来からのやり方を「見て見ぬふり」してしまいがちですが、良いと思ったことがあれば運営の提案をすることで、入団しやすい環境に変えることも出来ます。保護者からはなかなか言いにくいものです。

また、親が我が子中心で考えるあまりに周囲が見えず、それがトラブルの引き金になることもあります。少しの心がけ、周囲に対する思いやりの心、感謝の気持ちを持つことで改善できることだってあります。

全く「何もしません。できません。」という姿勢では、より良い人間関係を築いていくのは難しいでしょう。それで「このチームは父兄の負担が多いから移籍する」と言って、他のチームに行ったところで、そのような態度ではまた同じことになってしまいます。

親の都合で移籍を繰り返すことで、悲しい思いをするのはお子さんです。どんな些細なことでもいいのです。互いに協力し歩み寄る姿勢があれば、相手も心を開いてくれます。

少年野球のチーム移籍について③ 指導方針による不満

入団前の説明時にチームの指導方針について、確認はしていたけれど実際に入ってみたら思っていたのと違った。このようなことはありませんか?

お子さんが中心で活躍している時には、このようには思わないものです。なぜなら、お子さんの活躍の度合いによるところが大きい為です。

お子さんがチーム内で結果を残している。出場機会が増える。本人のやる気にも繋がる。家庭内の野球の会話も弾む。好循環が生まれています。そうすると親も野球に顔を出すことが楽しくなります。

一方でお子さんがチーム内で結果を残せていない場合はどうでしょう。出場機会が減ってしまう。試合での実践が出ている選手と比べ少ないので、ますます差が出来てしまう。しかし、当番は同じように回ってくる。ベンチを温めている我が子を見るのが辛い。移籍したほうがいいのでは?となる。

お子さんが結果を残せていない中でチームに顔を出すのは辛いですよね。私もありました。息子はチーム内で常に活躍出来ている選手ではなかったですから、あなたのその気持ちわかります。

チームの移籍を考えたほうがいい場合

・全く出場機会に恵まれない

・明らかにチーム内での他の選手とのレベルが違い過ぎる

・本人もやる気をなくしている。

このような場合はチームの移籍も一つの手だと思います。しかし、どこのチームに移籍しても向き合うべき課題はあります。人が集う以上、人間関係は必ず存在します。レギュラー争いは存在します。

「思い通りにいかないなら、またチームを変えればいい」と安易な考えの元、チームの移籍を繰り返してしまうと、後々後悔することにもなりかねません。

我が家の場合は、チームメイトと明らかに差があった訳ではなく、頑張ればレギュラー争い出来る位置にいたこと。結果が出ていない時も息子のやる気が途切れることなく努力を続けていたこと。このような状況でしたので、チームを移籍することはありませんでした。

まとめ

今回は少年野球のチーム移籍について、退団前に考えておきたいことについてお話ししました。

チームの移籍は「野球を行う日々の環境を変えること」になります。移籍によって人間関係からチームの方針、通う距離など全てが大きく変わります。どのチームも一長一短、全てが長所のチームは存在しません。

チームの移籍は慎重に

あらゆる可能性を考えた上で、移籍をしたほうがお子さんの為になると判断した場合に検討するとよいと思います。