「目指せ甲子園ブログ」の読者さんから、このような質問をいただきました。

「高校の関係者が中学野球の選手をスカウトに来るという話をよく聞きますが、具体的にいつ頃、どんなふうに来られるのでしょう?」と

確かに気になりますよね。もしかすると知らない間にお子さんが進学を希望する高校のスカウトが見に来ているかもしれません。

高校のスカウトが見に来るおおよその時期を、事前に知っていると「行きたい高校についての話をいつ頃すればいいか」段取りに余裕を持って取り組むことが出来ます。

「なんとなく過ごしていて、気付いた時には志望校のスカウトが来た後だった…」

「なんのアピールも出来ないまま、過ぎてしまった…」

「まだ家族で高校ではどのように野球を取り組み、その為に行きたい学校はどこなのか?ヒヤリングが出来ていないため、チームに話すらできない状況」

こんなふうに、大事な瞬間を何も出来ないまま迎えてしまうことがないよう、是非知っておいていただきたいことを記事にしましたので読んでみてくださいね。

中学野球のスカウトが注目している時期は?

2年生を主体とした秋季大会

中学3年生の夏の選手権が終了した後、秋からは本格的に2年生、1年生の新チームがメインの活動にシフトします。

新チームになってすぐ、2年生を主体とした秋季大会があります。

この2年生の秋の大会で地区予選に勝ち抜き本戦出場を決められるかが第一のポイントになってきます。

秋季大会の本戦に出場できると、本戦となる会場の球場には、多くの高校のスカウトが来ています。

そこには、甲子園常連校のあの監督や伝統校のあの監督の姿も…このようなことが普通にあります。

また、中学野球の指導者と既に繋がりのある高校関係者の場合、指導者が集まっている場所に挨拶に来られることもあります。

では、これまでパイプがなかった高校は、チャンスはないのでしょうか?そんなことはありません。

事実、このようなパターンもありました。

秋季大会から生まれる交流もある

パイプの無い高校のスカウトが中学野球の指導者に挨拶に来られ、名刺交換をして交流が生まれ具体的な話に進む場合です。

秋の大会の本戦に出場できると、より多くの高校との接点が生まれますので、見ていただけるチャンスも広がります。

お子さんが秋季大会の本戦のメンバーに入っている場合、試合で結果を残すことが出来ると名門野球部から「是非ウチの高校へ来てほしい」と声がかかることもあるでしょう。

「ウチの子は、スタメンじゃないから関係ないわ」などと考えているお母さん、実はそんなことないです。

もちろん、大事な試合にスタメンで出場しているのと、ベンチにいる選手では「スカウトから声をかけてもらう」という点では差があるかもしれません。

しかし、本戦に出場したことで、高校側と中学野球のクラブチーム側との接点が増えます。紹介できる高校が増えると、それだけチャンスも広がるということに繋がります。

後日、中学野球のクラブチームに高校関係者が訪ねてくる。こういう可能性だってあります。

高校関係者が中学2年生の選手をスカウトする場合、秋季大会の本戦に積極的に顔を出していることを覚えておいてほしいと思います。

中学野球のスカウトが硬式野球のクラブチームに来る時期は?

春のセンバツに繋がる大会が終わった頃、中学野球の選手をスカウトする為に高校関係者が動きはじめます。

秋季大会に訪れることは先ほどお伝えしましたが、その後の冬にも動きが活発になります。

甲子園球児を何人も輩出しているようなクラブチームであれば、毎週のように高校関係者が見学に来るといっても過言ではありません。

中学野球のクラブチームの冬は、春からの新1年生を対象とした体験会以外にも、高校進学を見据えた中学2年生の進路に向けた動きが活発になります。

私が所属しているチームでは、秋季大会が終わった後、中学2年生の父兄を対象とした進路説明会を開催しています。

合同の説明会の他に個人別の相談は随時受け付けており、より多くの選手が希望する高校へ進学出来るようにサポートを行っております。

この時期に進路説明会を行う理由は、どの選手がどのような高校を志望しているのか?高校関係者が訪れた時に、選手を紹介する為に希望を把握しておく必要があるからです。

高校関係者が多数訪れる冬の時期に、自チームの選手のプレーを見ていただける機会を多く作ること。

チーム役員、指導者は常に試合に出ている選手以外でも、希望の進路に進学することが出来るように、考えながらサポートを行っています。

中学野球のスカウトはどんな人が行っているのか?

あなたがまず思いつくスカウトで真っ先に思い浮かぶのは、やはり高校の野球部の監督だと思います。

高校によってはスカウトを別で立てている場合があります。どのような立場の人かというと野球部の部長やコーチです。

指導者の中で分担制を敷いていたり、交代でスカウトに出ている高校もあります。

野球部によっては「選手のスカウトは必ず監督自身が行う」と決めている高校ももちろんあります。

ここに関しては、高校の考えがさまざまですので、監督以外の方がスカウトするということも普通にあるということを覚えておいていただきたいと思います。

中学野球のスカウトは野球だけでなく学力も見ている

「是非、ウチの高校へ来てほしい選手がいる!」

「この背番号何番の選手いいですね~」などと中学野球の監督に話をし、もしご父兄さんが来られている場合は、「是非、〇〇くんをウチの高校へ」と話す場合があります。

声をかけてもらった高校が、お子さんの志望校だった場合、本当に嬉しいですよね!

憧れの高校のユニフォームで、活躍をする姿を目に浮かべたりもするのではないでしょうか?

しかし、今は野球の技術がいくら素晴らしくでも、それだけでは希望を叶えることは難しくなってきています。

「野球が上手ければ学力は関係ない」という高校はないと考えておくほうがいいでしょう。

とくに、文武両道を掲げていて、学業を重視するような高校の場合、スカウトの対象となっている選手がどのくらいの学力なのか聞いてきます。

その結果「残念ながら、ご縁がなかった…」と言われてしまう選手がいるのも事実です。

そんなことになっては、本当に悔やまれますよね。学生の本分である「学業をおろそかにしない」ということも大事な要素になってきますので心に留めておいてください。

中学野球のスカウトは選手だけでなく親も見ている

野球の技術は素晴らしい、勉強はそこそこだが、充分に進学の基準を満たしている。

このような場合であっても、もう一つスカウトが見ていることがあります。

それは「声をかけたいと思った選手の親が、どんな親なのか」ということです。

「えっ?親?関係あるの?」と思うかもしれません。

「この選手に来てほしい」とスカウトが思った時、中学野球の指導者に「今日は〇〇くんの親御さんは来られていますか?」と言うことがあります。

「〇〇くんに、ウチの高校へ来てほしい」ということを伝える目的もありますが、「親の考えや雰囲気を知る」というもう一つの目的があるからです。

まとめ

今回は「中学野球のスカウトの時期は?大事な瞬間を迎える前に知っておきたい5つのこと」についてお話しをしました。

・中学野球のスカウトは、中学2年生の秋季大会本戦を積極的に見にきている

・クラブチームにスカウトが見学に来る冬の時期までに、進路について家族でよく話し合いをし、希望を指導者に伝えておく

・スカウトは必ずしも高校の監督とは限らない、部長やコーチが行っている所もある。

・野球の実力はいくら素晴らしくても、成績が悪いとお断りされてしまう場合がある

・中学野球のスカウトは選手だけでなく親も見ている

お子さんの本気の気持ちには本気で応えてあげるには、スカウトが来る時期を見定め、余裕をもって準備にとりかかることを意識していただければ幸いです。