中学野球にも慣れてきた。試合でも練習の成果を出せるようになってきた。身長が10㎝以上伸びた。

中学生のお子さんの成長を見ていると、1年前の幼さがあっという間になくなっていることに気づかされます。とくに夏休みのお子さんの成長は著しいですよね!

秋になると中学2年生がいよいよ公式戦のメインとなっていきます。そうなると気になり出すのが進路のこと。早い選手だと中学2年生の秋には、高校側から注目され実際に声がかかる選手もいます。

進路はまだまだ…と思っていると、気付かないうちに大事な時期を逃してしまうことになりかねません。そうなる前に、今回は「中学野球の進路選択で親が押さえるべき3つのポイント」についてお話ししたいと思います。

中学野球の進路選択で親が主役になってはいけない真の理由

・伝統ある母校の野球部へ息子も進学させたい!

・甲子園常連の〇〇高校野球部へ息子を進学させたい!

・甲子園出場の実績のある〇〇監督がいる△△高校へ進学させたい!

甲子園出場を本気で考えているご家庭なら、このように考えている親御さんもいらっしゃると思います。目指すべき目標を持ち、その目標に向かって日々努力をする。とても素晴らしいことですよね。

しかし、この目指すべき目標がお子さん本人が考えている希望の進路ではなく、親が望んでいる進路だった場合、どのようなことが想定されますか?

実際に私のチームでもありました。お父さんは甲子園に度々出場する名門野球部の出身です。しかし、お父さんの代には甲子園出場の夢を叶えることが出来ませんでした。

「叶えられなかった夢を息子に母校で叶えてほしい!」

一緒に苦楽を共にした野球部の仲間とも父親になった今でも繋がっています。当時のチームメイトが監督やコーチやOB会会長として母校に携わっている場合もあります。

先輩からの一言「お前の家の息子、野球やってるんだろ?当然〇〇高校に来てくれるよな!待ってるぞ!」

「強力なパイプがあるのだから、息子も当然〇〇高校へ進学を望んでいるはず!」お父さんはそのように思い込み、お子さんと進路の件についてゆっくり話をしないまま「よろしくお願いします」と言ってしまう。暫く経ってから息子の意思を知り驚く。

「息子がお父さんの母校〇〇高校への進学ではなく、△△高校への進学を希望している」蓋を開けてビックリの事実。「そんなこと今まで言ってなかっただろ?何で今になってそんなこと言うんだ!」

この事例でわかるように、お父さん自身が叶えられなかった夢を、お子さんの気持ちを確認せず、思い込みで先走ってしまったことで起こってしまいました。

「この進路、お子さんの意思をちゃんと確認していますか?」

親が主役になることで、お子さんが進学後、途中で退部してしまう恐れがあるからです。お子さんの意思を尊重することは、進路選びにおいてとても重要なことです。

少年野球の進路選択は子どもの話を聞くことが鉄則

「頑張る我が子を応援したい!しかし具体的な応援方法がわからない」そのように考えている親御さんは多いと思います。

親はとにかく自分の視点でいいと思ったことを「こうしなさい、ああしなさい」と言ったり、出来ていないことに対し「あれが出来ていない、これもまだ出来ていない」と、やかましく言ってしまいがちです。

私にも経験があります。我が子が出来ていないことって、とにかく目についてしまうんですよね…。ガミガミいった後で反省…そんなこともありました。

しかし、そんな時のお子さんの様子ってどうですか?「言われなくてもわかってる!いちいちウルサイ!」ウチの場合こんな態度がありありと出ていました…

こちらの思いを一方的に伝えるだけでは、お子さんの思いをくみ取ることはできません。

お子さんの話に耳を傾けること、そして尊重してあげることにより円滑なコミュニケーションが図れるようになります。

日頃の関わりの中で、お子さんが自分自身の考えを話しやすい環境を作る。とくに進路選択のように大切な話をする時には、普段のコミュニケーションがとれていないと、お子さんの本当の気持ちを知ることが難しくなってしまいます。

是非、お子さんの話に耳を傾けてあげてください。一番の応援団であるあなたなら出来ると思います。

中学野球の進路選択でやる気を引き出す3つのポイント

認められた子どもの気持ちは前向きになる

お子さんが一生懸命取り組んでいること、当然のようにサラッと過ごしてしまってはいませんか?大人でもそうですが、継続をすることが上達の近道だとわかっていても、なかなかそのようには出来ないものです。

お子さんが継続出来ていることを是非褒めてあげてください。どんなに些細なことでも、継続して頑張っていることがあれば褒めて認めてあげてほしいと思います。

根拠のないことを褒めたところで、その褒め言葉はお子さんには響きません。具体的に継続出来ていることを事例に挙げて褒めてあげてください。

認めて褒めてあげることはお子さんの意欲を引きだすことに繋がります。

「出来る」という成功体験の積み重ねによって、更なるプラスの効果を生み出します。

成功体験が増えると自信に繋がる

努力の積み重ねにより出来ることが増えてきた。そうなると練習でも試合でも結果が伴うようになってきます。

「最近はスタメンが定着している」「この前の大会では背番号2桁だったのが1桁の背番号を貰えた!」など、嬉しいことが増えてくれば、お子さんも「また頑張ろう」と思えるようになりますよね。

もちろん、いい時ばかりではありませんが「自分は出来る!」と思える経験が増えると、自然に気持ちも前向きになってきます。逆に「失敗したらどうしよう…」とビクビクするのは、自分に自信がないからです。

つまり成功体験の積み重ねが、お子さんの自信を育むことになるのです。

自信は結果に繋がり、進路選択の幅を広げます

自分が努力してきたことに自信が持てる。自信が持てるからこそ良い結果に繋がる。良い結果が多ければ注目して貰えるチャンスも広がってきます。

そこまでに至るには、もちろん本人の努力が一番ではありますが、周囲の環境によるところも大きいのは事実です。

人は否定や無関心の中にいる状態と、頑張りを認めて貰える環境では、明らかにモチベーションが変わってきます。とくに子どもはその傾向が顕著に現れます。否定され続けると「どうせまた失敗してしまう…頑張っても無駄…」と諦めの感情で取り組むこととなります。

それでは良い結果は生まれませんよね。日頃から身近にいるあなたは、お子さんの一番の応援団であってほしいと思います。

あなたの日頃の関わり方でお子さんの自信を生み出すことも、削いでしまうこともあり得るのです。

「お子さんの進路選択の幅を広げてあげたい」そう思っているなら、是非お子さんに自信を持たせてあげてください。

まとめ

今回は「中学野球の進路選択で親が押さえるべき3つのポイント」についてお伝えしました。

・野球をするのはあくまでもお子さんです。進路選択において親が主役になってしまわないようにすること。

・親の思いを一方的に伝えるだけでは、お子さんの思いをくみ取ることは出来ません。お子さんの話に耳を傾けてあげてください。

・お子さんが頑張っていることを事例を挙げて褒めてあげてください。自信は結果に繋がり、結果の積み重ねは進路選択の幅を広げます。

「お子さんの一番の応援団でありたい」そのように願っている親御さんの思いをお子さんに届ける為に、是非取り組んでいただければ幸いです。