息子が憧れの〇〇高校に進学し、レギュラーをとって甲子園に出場したいと言っている。

しかし、その高校からはオファーはなし。チームに相談したけど、監督推薦も厳しい状況。

ならば、一般受験で入部してからレギュラーを目指す方法がある。そしたら夢が叶うかもしれない。

とにかく一般受験でも、息子の希望を叶える為に〇〇高校へ。

もし、あなたがそのように考えているならちょっと待ってください!

この選択は、野球をおもいっきり出来る、ベンチ入りが叶う環境ではないかもしれません。

今回は、「野球強豪校でベンチ入りを狙うなら推薦入部をオススメする真の理由」についてお話ししたいと思います。


野球強豪校の推薦組と一般組では扱いに差がある

一般入部で野球部に入り、さぁ練習!と思い意気込んでいたのも束の間。

殆どまともに練習できない…

こんな状況を聞いたことありませんか?

「本当にあるの?そんなこと」と思うかもしれません。

待遇の差は実際にあります。

その内容を具体的に説明していきたいと思います。


扱いの差①練習内容の差

まず、1年生で入部した時から扱いが違います。

もちろん中心は上級生であることに違いはありませんが、推薦組はそのお手伝い「バッティングピッチャー」「トスバッティングの手伝い」「ケースバッティングのランナー」など、より近い位置で練習に携わることができます。

練習の中で、1年生の早い段階からバッターボックスに入り、打たせてもらえることもあります。

その間、一般組で入部した選手は、ひたすら外周を走るだけ、ボールに触れない、出番はグランド整備の時のみ。

そんな状況が暫く続きます。

「なんとかここから這い上がってやる!」と思っても、練習に参加できない状況ですから、毎日のこととなると、推薦組との差は広がってしまいます。

3年生が引退した後「これからようやく練習出来る」と思っても、推薦組は、2年生のレギュラー争いに食い込む活躍を見せている。秋からベンチ入りが叶う選手もいる。

しかし一般組は、全体練習で自分の練習が出来る訳でもない。練習と言えば、自主練のみ。

一体いつになったらチャンスが来るのだろう?

このまま高校野球が終わってしまうのではないか?

先が見えない中で、モチベーションを保つことが難しくなり、退部してしまう選手もいます。

いくら、憧れていた〇〇高校であっても、そこから這い上がりレギュラーになるのは相当厳しい状況です。

それでもあきらめずに努力を続ける強いメンタル力とアピール力が必要となります。


扱いの差②試合に出られるチャンスの数に差

これは、息子が高校2年生の夏、ある高校へ練習試合を見に行った時の話です。

相手チームの部員は130人。

Aチーム、Bチーム、おそらくCチームであろう選手たち。

3つのグループに分かれていました。

試合に出して貰えるのはAチーム、Bから守備固めと代走で何人か、Cチームであろう選手たちは、トンボを持ってうろうろ。

そのうち、トンボを持った選手同士で言い争いが始まる。

秋のベンチ入りメンバーを決める時期に、息子と同学年の2年生の選手が、試合に出ることもなく1日を過ごしている。

主人と顔を見合わせて「これが現実の厳しさか…」と複雑な気持ちを持った記憶があります。

扱いの差③推薦組は早くから上級生の遠征に帯同

一般組の選手が、監督に練習を見てもらう機会がない中、推薦組は上級生に交じって遠征メンバーに入っています。

遠征メンバーに選ばれているということは、そこで行われる練習試合で使って貰える可能性が出てきます。

既に入学した時点で待遇に差があることは一目瞭然です。

推薦組の中でも1年生の早い時期から遠征に連れていって貰えるメンバーとそうでないメンバーがいます。

一般組の選手は更に厳しい所からスタートしなければなりません。

我が子は推薦組でしたが、1年生の最初の遠征は居残り組でした。

推薦組の中でも選ばれる選手とそうでない選手がいることを、身をもって経験しています。

1年生の頃は殆ど試合に出して貰えることもなかったと言っています。

そのくらい厳しい状況の中、少ない出場機会から結果を出し、アピールをし続けなければならないのです。

扱いの差④メンバーを選ぶ監督が見る機会が多いのはAチーム

公式戦のベンチ入りメンバーを決めるのは監督です。部員が多いチームの場合Aチーム、Bチーム、違う球場で練習試合ということも多々あります。

監督が帯同するのは、もちろんレギュラー選手がいるAチームです。

Aチームにいる選手は、監督により近い所で指導を受けることになりますので、関わる頻度がBチームの選手より多くなるのは必然です。

監督にプレーを見て貰える機会が多い、試合に出る機会が多い。そこでも差が出てしまいます。


扱いの差⑤野球に対するモチベーションに差ができる

監督により近い所で期待されている選手と、普段殆ど練習を見てもらえるチャンスがない選手とでは、野球に対するモチベーションも変わってきます。

監督から「是非うちの高校に来てほしい」と声がかかるということは、入学前からそれだけ期待をされている訳です。

パイプがある中学のチームから監督推薦で入部した選手は、直接高校の監督が声をかけた選手ではなくても「この高校でやっていける実力のある選手」とみなされていますので、さまざまな場面でチャンスを貰える可能性があります。

しかし、どちらでもない選手、一般で入部した選手は待遇の違いから

「どんなに努力してもベンチ入りは叶わないのではないか…」

「こんなはずじゃなかった」

と感じてしまうことも多いのです。

まとめ

お子さんが「どうしても〇〇高校へ行きたい」と言った時に、その高校からお声がかかり、相思相愛だった場合は迷わず進学することをお勧めします。

声がかからなかった場合でも、選手側が希望して、高校関係者にプレーを見てもらい「とってくれる」と言われた場合も、チャンスは充分にあります。

チームの監督からの推薦での進学の場合も「この学校で実力的に通用する選手」として推薦されていますので、チャンスをいただける可能性はあります。

以上のことから、入学と同時に推薦組も一般組も同時にスタートということはなく、ある程度「監督の中の構想は既にある」と考えておいたほうがいいと思います。

あなたのお子さんの進路選択の参考にしていただければ幸いです。