「中学野球の環境を硬式のクラブチームで始めたい」このように考えている選手は、どのような未来を描いているでしょうか?

「甲子園常連の名門野球部に入学し、将来はプロ野球選手になりたい!」

お母さんは我が子の夢を叶える為に、少しでも望む環境に近づく道を模索して中学硬式野球の道を選択するのではないでしょうか?

野球に対する本気度、意識が高い、目指すべき目標が明確である。

とても素晴らしいことです。

しかし、残念ながら野球の実力だけで、我が子が目指す「第一志望のあの学校」には入学出来ない事実もあるのです…

今回は、私のチームで実際にあった事例を含め「中学野球の進路は学業成績も大事」についてお話ししていきたいと思います。

中学野球の進路は野球の実力だけで決まらない事実

今からお話しする内容は、実際に私のチームであった事例です。

甲子園常連校から声がかかった〇〇くん

〇〇くんは、チームの中でも主力選手、エースピッチャーとして将来も有望視される逸材でした。3年生が引退し、新チームになった2年生の秋季大会でも頭角を現し、高校関係者の目にもとまりました。

2年生の冬には、誰もが憧れる甲子園の常連校A高校から声がかかりました。

A高校と言えば、多くの選手が「行きたい」と思うような人気のある高校です。

しかし、当然誰でも入学できるはずがありません。A高校は「この選手!」と思った選手に決め打ちで声をかけてきます。

こちらから希望しても入学できない名門野球部から「〇〇くん、ウチの野球部に来てほしい!」と言われたのです。

当然〇〇くんは意気揚々と喜びました。お母さんも将来我が子が甲子園で活躍する姿を目に浮かべていたことでしょう。

しかし…結果的に〇〇くんはA高校に進学することは出来ませんでした…

断念せざるを得なかった理由は?

「野球の実力は誰もが認めるほど申し分ない選手がどうして?」そう思いますよね。

その理由は学校の成績がA高校の基準に満たしていなかったからです。

Aくんは5段階評価の成績表で「1」が2つありました。

成績表に「1」がつくってどのような状態でしょう…

学校の先生だって、「1」なんて極力つけたくないはずです。

Aくんは、クラブチームではひたむきに野球に取り組んでいましたが、学校では授業態度がよくない、提出物も出さない、遅刻もよくする・・・そのような状況だったのです。

大好きな野球で自らの夢を実現する為に頑張っていましたが、やはり進学する先は「学校」であり「学業をおろそかにしてはいけない」という認識が足りませんでした。

その為に、甲子園常連のA高校へ進学するチャンスを逃してしまったのです。

残念ながら…の連絡は、このような形で伝えられました。

高校の野球部監督より中学硬式クラブチームの代表宛に電話で伝えられ、その後チームの代表、監督との面談にて〇〇くんと親御さんに伝えられました…

時期は〇〇くんが高校3年生の4月でした…

この記事を読んでいるお母さんに心にとどめておいてほしいこと。

「学校のことは本人に任しているから大丈夫!」このような思い込みから無関心にならないようにすること。

後から「えっ!知らなかった…」とならない為にも、野球だけでなく学校での様子にも気を配っておきましょう。

希望の進路を掴むために日頃からこころがけておくこと

「俺は他の選手より試合にもたくさん出てるし結果も残している!スカウトで高校は決まるから学校の成績は関係ない!」

もし、我が子が上記のような考えを持ち、学校での生活、学業をおろそかにしているのなら、その考えは自分の首を絞めることになることを伝えてほしいと思います。

日頃の取り組みは、進路にも影響します。

✖ 授業態度が悪い
✖ 課題を期限内に提出していない
✖ 遅刻ばかりしている

このような態度ではいくら野球で頑張っても良い評価はしてもらえません。

希望の進路を叶える為に心にとどめておいてほしいこと!

それは「進路は野球の実力だけでは決まらない!学業をおろそかにしてはならない」ということです。

学生として当たり前のこときっちりこなしていれば、5段階評価の「1」はつきません。

「1」がある選手はどんなに野球が上手くてもお断り!の学校は普通にあります。

「1」をとらない!それが進路においていかに大切なことか、認識しておきましょう。

進路検討の段階で5段階評価の「1」がある…|今すぐ取り組むべきこと

我が子の成績表を見てビックリ!! 「1」がある…

「あぁぁぁ…もうダメだ…目指せ甲子園の夢どころの問題じゃないわ…驚いて言葉も出ない…」

このように嘆いているお母さん!結果に愕然とする気持ちもわかります。

やるべきことを当たり前にやっていなかった事に対する評価ですから。

しかし、嘆いていても前には進めません。

すぐに取り組んでほしいこと。まず、成績表「1」をなくす努力をしてください。

学校での三者面談で「なぜ1がついているのか?」先生はちゃんと説明してくださいます。

現実を真摯に受け止めてください。

それから我が子が出来ていないことを直す努力をしましょう。

「我が子に寄り添い一緒に考え、努力する!」

成績表に「1」があるとチーム側としても高校側へのお話しが難しくなります…

本当にこの選手を高校側に紹介しても大丈夫だろうか?

入学後その選手が問題をおこして、後輩のパイプがなくなってしまうのではないだろうか?

このような懸念を抱かれないためにも、5段階評価の「1」をなくすことに努め、指導者から「よし!この選手は高校へ推薦しても大丈夫だ!」と思われるよう努力をしてほしいと思います。

まとめ

今回は、「中学野球の進路は学業成績も大事|成績が関係する3つの理由」についてお伝えいたしました。

・中学野球の進路は野球の実力だけでは決まらない現実があることを知り、学校での様子に無関心にならないようにすること

・学生として当たり前のことをきっちりこなす。「1」をとらないことがいかに大切か認識すること

・万が一「1」をとってしまったら…「1」をなくす為にやるべきことを我が子と一緒に考えすぐに取り組むこと

本気で甲子園を目指しているからこそ、後悔してほしくない!学業に対する取り組みがいかに重要か、考えていただければと思います。