中学3年生の公式戦は、夏の全国大会をかけた試合で終わります。入団してから実質2年半です。

ローカル大会もありますが、高校関係者にプレーを見てもらえるチャンスは、少しずつ少なくなってしまいます。

そんな中、進路が具体化できない選手が毎年おります。

チームとしても出来る限り本人の希望に沿うような学校に進学できるように声掛けを行っていますが、選手一人ではなかなか前に進まない現実があります。

今回は、進路を決められない選手のお母さんが、我が子にどのように向き合い具体化していけばよいかについてお話しをしたいと思います。

中学野球の進路選びで考えを具体化する方法

3年生の夏を迎える前に、幾度となく進路の話題に触れる機会はあったと思います。

過ぎた時を悔やむより、まずは我が子の一番身近にいるお母さんが具体的に行動をおこしてください。

その方法ですが、いくつかの選択肢を示してあげましょう。

例えば、自宅から通える高校に行きたいのか、自宅外で寮生活を希望するのか? 示す際には、両方のメリットデメリットを箇条書きにして可視化してみてください。

実際、長男の進路を決める際にはこの方法を使い、方向性を形にしていきました。

思いつくものをどんどん記載していき、長男にも思いつくものがあれば追記してもらいました。

ポイントは、冷静な目で比較できるようにする為にも、片方のいい所ばかりを挙げないということです。

可視化することで、選手本人もぼんやりしていた進路に対する考えから脱却でき、自分が向かいたい将来がはっきりしてきます。

他にも比較するテーマをいくつか決めていきます。

公立高校と私立高校など。 複数のテーマで挙げていった箇条書きを比較し、優先する条件をピックアップしていきましょう。

実際の雰囲気は学校見学をしたり、既に通っている家庭からの情報を得ることで知ることとなりますが、まず「行きたい学校を具体化していく作業」を始めなければ、次のステップに至りませんので、そこは一日も早く行動することが大切です。

中学野球の進路選びでは志望校以外のチャンスにも目を向けよう

複数のテーマから希望する進路の方向性が定まった所で、その条件に合う高校をピックアップしていきます。

選択した高校が、既にチームの先輩が行っていれば、パイプがありますのでチームとしても話を進めやすくなります。チームの代表や監督から、高校側へ推薦してもらうことも可能でしょう。

また、選択した高校以外でも条件に近い学校があれば、チームから「この高校はどうですか?」と提案してもらえる場合もあります。

自分が当初検討していなかった学校であっても、教えていただいたことで選択肢が広がります。

この場合、提案していただいた時点で前向きに検討し、早めに返事をするようにしましょう。

部員数を予め制限している高校もありますので、あなたが話をしばらく保留にしている間にも、他のチームの選手がその高校と話しを進めている可能性だってあります。

まずは、動かないことには何もはじまりません。時期が過ぎれば折角のチームからの提案も流れてしまいます。

中学野球の進路選びは「最初の一人」から始まる未来もある

逆に選択した高校が、チームから初めて行く高校の場合は、これからパイプを構築していくことになりますので、条件面では望めないことが多いです。

しかし、本人がその学校にどうしても行きたい場合は一日も早くチームに相談することをお勧めします。

パイプがないからと初めから諦める必要はありません。 野球関係の横の繋がりから、知り合いを通じて頼んでくださる場合もあります。

あらゆる可能性をあたってください。進路について真剣に前向きに考えようとしている熱意は、チーム関係者にも必ず伝わります。

それでもパイプが無い場合は、学校に直接問合せてみてください。

部活体験の日時や見学可能な日を教えてくれたり、監督や部長さんに電話を繋いでくれることもあります。その場合もチームへ状況の報告は行ってください。

チームから「最初の一人」となる。先輩もいない知り合いもいない県外の高校へ、たった一人で15歳の選手が「目指せ甲子園」の夢を叶える為に行く!

それは不可能なことではありません。

現に我が家の長男は、チームから初めての高校へ進学しました。そして在学中に甲子園を経験しています。

複数の高校から声がかかる優秀な選手ではなくても夢に向かって進むことで開ける道はあるのです。

その「最初の一人」の扉は、その後中学のチームの後輩にも繋がっていきました。

真面目に努力をする選手が毎年進学することで、高校側の評価が上がり、今では監督が毎年選手を見にきてくれるようになりました。

まとめ

志望校を選択する為の行動は、一日も早く行うに越したことはありません。

我が子が複数の高校から声がかかるような優秀な選手ではない場合は、尚更早めの行動が鍵となります。

・比較するテーマを複数決め、メリットデメリットを箇条書きにして可視化する

・志望校と同じ条件が望める高校を紹介してもらった場合は、前向きに検討することで、進路選択のチャンスが広がる

・チームから「最初の一人」になることで開ける道もある

進路選択に関しては、本当にさまざまな方法があり、決まるまでにもさまざまなパターンがあります。

我が子の夢が「目指せ甲子園」ならば、その夢を実現する為には選手一人の力では、どうしても難しい場面が出てきます。 その時に一番近い存在である親が「一緒に考え寄り添っていく」ことが重要になります。

また「目指せ甲子園」への道は、前例が全てではないことも我が家の事例を示すことでお解りいただけたのではないでしょうか?

あらゆる方向性、可能性を示唆しながら、あなたのお子さんにとってベストな選択をしてあげてほしいと思います。